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たかがめまい、されどめまい

めまいは多くの方が悩んでいる症状ですが、放置すると聴力の障害を伴ったり、手足の麻痺などの機能障害を来たすことがあります。

原因を特定して、適切な治療を受けることが重要です。勤医協札幌病院耳鼻咽喉科の白取謙一医師に話を聞きました。

(道央健康友の会新聞 2019年2月1日付 第80号より)


めまいの原因

めまいには大きく分けて、ぐるぐる回る「回転性めまい」や、ふわふわする「浮動性めまい」などがあり、耳や脳など原因は様々考えられます。

回転性めまいは、平衡を司(つかさど)る内耳の障害によることが多いですが、脳卒中の場合もあり注意が必要です。ろれつが回らない、麻痺やしびれがあるといった場合はすぐに救急車を呼びましょう。

一方、浮動性めまいは、脳幹や小脳に異常があることが比較的多く、その後も症状が慢性化しやすくなります。

症状伝え、適切な診断を

めまいは、原因が複雑なため診断が難しいです。

受診の際には、どういったタイミングでどのようなめまいがどのくらい持続したのか、他に吐き気などの症状はなかったか、詳しく伝えることが大切です。

例えば、最も多い「良性発作性頭位めまい症」は、起き上がる時など頭の向きを変えた際に回転性めまいが起こります。

持続時間は30秒から1分ほどで耳鳴りや難聴の悪化はありません。

内耳にある三半規管に耳石(ルビでじせき)が入り込むために発症するとされ、何度も姿勢を変えるようなリハビリで改善できます。


「前庭神経炎」も難聴の悪化は伴いませんが、こちらは安静にしていても強いめまいが数日間続きます。

風邪のあとに発症する場合があり、数週間ほどふらつきが続きます。


「メニエール病」は、めまいの他に耳鳴りや聞こえにくさなどがあり、何度も繰り返します。原因は内耳のむくみによると考えられ、ストレスなどによって誘発されます。


耳の不快感があるもので特に注意しなければならないのは「突発性難聴」です。

突然片方の耳が聞こえなくなり、ひどい場合は回転性めまいを伴います。できるだけ早くに治療を開始しないと難聴が治りづらくなり、1カ月以上経つと聴力がほとんど戻らなくなる難病です。早めに受診してください。


原因は十人十色

耳鼻科、脳神経外科で異常が見つからない場合、女性なら更年期障害の可能性もあります。

その他にも、うつ状態、自律神経のバランスの乱れ、気圧の変化、肩こり、眼の疲れなどもめまいやふらつきの原因として挙げられます。

原因が複数重なっていることもあり、当院では受診を繰り返しながら各人に合った「オーダーメイド」の検査、治療をすすめていきます。


運動不足は万病のもと

高齢者は、体を平衡に保つ機能や筋肉量の低下、薬の副作用によるめまいなど、ふらつきや転倒しやすい状態にあります。

しかし、転倒を恐れてじっとしていると体にもいい影響はありません。

原因をつかみ必要な治療をし、適度な運動を心がけることが重要です。

揺れているのは私だけ?「地震後のめまい」

地震が起こっていないのに揺れていると感じたことはありませんか。

それは「地震後めまい症候群」かもしれません。

昨年発生した北海道胆振東部地震では、道内で初めて震度7を観測し、札幌でも6弱を観測しました。

震度1以上の余震は11月末までで325回を数えます。

このような度重なる揺れに加え、強い不安やストレスからめまいを発症すると言われており、東日本大震災や熊本地震でも同様の症状が報告されています。

性質は乗り物酔いに近く、酔い止めの服用が効果的です。

通常は数カ月で治まりますが、車酔いしやすい、不安を感じやすい方は長引きやすく1年以上続く方もいます。

病院に来ることで不安が和らぐこともありますので、症状がひどい方はご相談ください。



1月24日に開催しました医療講演会「めまいについて」(講師:白取医師)のご報告もあわせてご覧ください。


医療講演会 1月開催報告「めまいについて」