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高齢者に多い眼の病気

 失明リスクのある「白内障」「緑内障」「加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせいしょう)」。

高齢者に多い眼の病気ですが、早い人では40歳代でかかることもあります。

症状や治療法について勤医協札幌病院眼科・科長の土屋芳治医師にお話を聞きました。


                                                                (道央健康友の会新聞 2018年9月1日号より)

白内障

80歳代で9割の罹患率

白内障は眼球内のレンズである水晶体が白く濁る病気です。

視界がかすんだり、まぶしく感じやすくなります。

40歳代では人口の4割、80歳代では9割以上が白内障というデータもあります。

治療法は手術以外にありません。

濁った水晶体を吸い出し、代わりに人工のレンズを挿入することで視力を回復させます。

手術後は見え方が青みがかったり、黄色みがかって見える場合がありますが、経過とともに慣れて感じなくなることがほとんどです。

緑内障

失明原因第1位

緑内障は主に眼球内の圧力(眼圧)が高くなることで視神経が障害される病気です。

視野が狭くなったり、視力が低下してきます。

発症の原因は、生まれつきの眼の構造、眼のけが、糖尿病や白内障などの病気があげられます。

また、ステロイド薬の副作用でも発症することがあります。

眼圧の上昇が緩やかな場合は自覚症状がほぼありません。症状に気づく頃には視野障害がかなり進行していることが多く、注意が必要です。

一方、急性の緑内障は眼の痛みや視力障害に加え、激しい頭痛・嘔吐などに襲われます。

内科や脳外科に運ばれることもあり、眼の症状も訴えることが重要です。

治療が遅れると数日で失明することもあります。

また、眼圧は正常でも視神経が障害される「正常眼圧緑内障」があり、日本人では一番多いと言われています。

どのタイプも眼圧を下げることが治療の基本です。

点眼、レーザー、手術という方法がとられていますが、患者さんの半数以上は点眼薬だけで普段と同じ生活を送っています。

加齢黄斑変性症

生活習慣の欧米化で増加

加齢黄斑変性は加齢が原因で網膜中心部の黄斑に障害が生じ、視界の中心部のゆがみや視力の低下をきたす病気です。

あまり知られていない病名ですが、生活習慣の欧米化で近年増加しており、失明原因の第4位となっています。

日本人では滲出型(しんしゅつがた)と呼ばれるものが多いです。

網膜の下に新しい血管(新生血管)が発生します。

この血管は、もろく破れやすいため血液成分が染み出たり出血し、黄斑が障害されます。

治療では、新生血管の拡大を抑え、現状の維持をめざします。

眼球に新生血管の成長を抑える薬を注射する方法、レーザーを当てて血管を閉塞させる方法などがあります。

眼の健康を守るには

いずれの病気も、たばこによる影響が指摘されています。

喫煙者と非喫煙者では発症のリスクが緑内障で約2.8倍、加齢黄斑変性で約2.5倍に高まると言われています。

眼の健康を守るためにも禁煙しましょう。

また、今回紹介した病気は加齢に伴って増えるため、眼の老化を防ぐことがポイントです。

その点において、バランスの良い食事をとることは欠かせません。

特に緑黄色野菜やアントシアニンを多く含む果物などは積極的にとりたい食材です。

紫外線やブルーライトを防ぐ機能の付いた眼鏡をかけることも効果的です。

加えて、眼の病気の間接的な原因となる高血圧、糖尿病、高脂血症の管理も重要です。

そして、人の眼は片方が見えにくくても、もう一方がカバーするため異常に気づきにくいです。

手遅れにならないよう、眼鏡が合わなくなった機会などに眼科を受診されると良いでしょう。