睡眠時無呼吸症候群

勤医協札幌病院 広報誌vol.16(2015.9月発行)より

寝ている時に呼吸が止まっていたり大きないびきをかいていませんか?

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に気道が塞がり、一時的に呼吸が止まる病気です。知られている主な症状は日中に突然に現れる眠気ですが、高血圧、心臓循環障害、脳血管障害など命を脅かす合併症の原因にもなります。家族から「寝ている時に呼吸が止まっている」「いびきが大きい」と言われたり、日中に眠気を感じたり、寝ているはずなのに熟睡感がない場合は、専門医の診断を受けましょう。

寝ている時に呼吸が止まっていたり大きないびきをかいていませんか?

寝ている時に呼吸が止まっていたり大きないびきをかいていませんか?

寝ている時に呼吸が止まっていたり大きないびきをかいていませんか?命を脅かす合併症を引き起こすこともあります。

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に気道が塞がり、一時的に呼吸が止まる病気です。知られている主な症状は日中に突然に現れる眠気ですが、高血圧、心臓循環障害、脳血管障害など命を脅かす合併症の原因にもなります。家族から「寝ている時に呼吸が止まっている」「いびきが大きい」と言われたり、日中に眠気を感じたり、寝ているはずなのに熟睡感がない場合は、専門医の診断を受けましょう。

放置していると5年生存率は84%

放置していると5年生存率は84%

放置していると5年生存率は84%

首の周りに脂肪が多くついていると気道が塞がれやすくなることから、太った人に発症する病気と思われていますが、日本人は顎が小さいため気道が塞がりやすく、やせていても発症することがあります。加齢や運動不足、喫煙なども要因の一つです。中年以降の患者さんが中心ですが、20代や30代でも発症します。
睡眠が十分にとれていないと、昼間に強い眠気が出て注意力や集中力が低下し、勉強や仕事の能率が悪くなります。また、血中の酸素濃度低下が長年続くことで、高血圧や心筋梗塞、脳卒中、慢性腎疾患を発症したり、悪化させたりして、寿命を縮めることにもつながります。
厚生労働省研究班の調査では、「睡眠1時間あたりの無呼吸数や低呼吸数が20回以上ある場合、5年生存率は84%、8年生存率は60%」と報告されています。これは、治療せずに放置していると、5年後には10人のうち1~2人が死亡し、8年後には4人が死亡しているということです。

交通事故を起こす頻度は健常者に比べると2・4倍というデータ

また、交通事故を起こす頻度は健常者に比べると2・4倍というデータもあり、自動車運転免許の取得時や更新時の自己申告が義務付けられるようになりました。

終夜睡眠 ポリソムノグラフ検査

終夜睡眠 ポリソムノグラフ検査

 

事前に自宅でできる簡易検査を行っていただきます。その結果、必要な方は一泊入院での検査を行います。 

一泊での検査は、夕方に入院していただき、翌朝に退院となります。
睡眠中の脳波やいびき、呼吸パターン、眼球運動などを調べ、睡眠の状態を観察・測定します。頭や顔・胸・腹・足などに電極やセンサーを付けますが、
痛みなどはありません。

症状が重い場合は睡眠時に治療機器を装着

症状が重い場合は睡眠時に治療機器を装着

軽度の場合は生活習慣を見直し、肥満の人は減量します。
睡眠薬は筋肉の緊張を低下させ気道を塞ぐ可能性が高くなるので見直し、寝る姿勢を横向きにするなど、睡眠環境を整えます。


中等度以上の場合はシーパップ治療(CPAP:経鼻的持続気道陽圧呼吸法)を行います。これは睡眠時に鼻マスクを装着し、機械で空気を送り込むことで気道が塞がるのを防ぐものです。根本的な治療ではありませんが、装着したその日から効果があり、副作用もありません。診察は毎月1回。機器のメモリーで使用状況や睡眠の状態を確認します。

シーパップ治療は保険適用治療です

シーパップ治療は保険適用治療です

シーパップ治療は保険適用治療です

【対象者】
●睡眠1時間あたりの無呼吸数や低呼吸数が20回以上で日中の睡眠障害がある人
●睡眠1時間あたりの無呼吸数や低呼吸数が30回以上ある人


検査と治療の費用

検査と治療の費用

睡眠時無呼吸症候群以外の睡眠障害(不眠症、過眠症、睡眠時随伴症、むずむず脚症候群など)についても、関係する診療科やかかりつけ医と連携しながらトータルに治療を行い、より良い睡眠を目指します。

検査料金約30,000円(3割負担、初診の方)
シーパップ治療ひと月あたり約5,000円程度(3割負担の方)
※治療機器のレンタル使用料含む


勤医協札幌病院には睡眠にかかわる専門の医師がいます

日本睡眠学会認定医は全国で494人(2015年9月1日現在)。
北海道では13人が取得しています。
睡眠医学の領域だけでなく、睡眠社会学、睡眠科学も含めた知識と技術を睡眠健康の増進に寄与する役割を担っています。



耳鼻咽喉科 科長 永沼 久夫(ながぬま ひさお)

耳鼻咽喉科 科長

 

永沼 久夫(ながぬま ひさお)

 

Profile


山梨県出身
1987年 山梨医科大学卒

日本耳鼻咽喉科学会専門医
日本睡眠学会認定医

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