10月開催報告「かぜについて」
今回の医療講演会は、内科の井上 智之医師が「かぜ」について講演しました。
13名の方がご参加くださいました。
身近な「かぜ」はウイルスによるもので、咳、鼻、喉の3症状が同時に出ることが特徴です。
かぜに特効薬はなく、3~10日で自然に治ります。
抗生物質は細菌に対して効果を発揮するもので、ウイルスによるかぜには効果はありません。
かぜは症状がゼロにならなくても全体として良くなっていることが大事です。
もし咳、鼻、喉の3症状のうち、どれか一つだけ症状が強いときはかぜではない可能性があります。
鼻症状が強く、長引くときは細菌性副鼻腔炎の可能性が、咳症状が強いときは肺炎の可能性があります。
喉の症状が強いときは、扁桃周囲膿瘍や急性喉頭蓋炎、さらには飲み込まなくても喉が痛い場合には心筋梗塞や大動脈乖離の可能性もありますので受診をしましょう。
高齢者や心臓・肺に持病がある方で熱だけがつらい時には、様々な感染症が考えられますので受診をしましょう。
次に井上医師は、インフルエンザについて説明しました。
かぜと同じで自然に治るものですが、子供や高齢者、心臓・肺に持病がある方、免疫不全の方などは重症化する可能性があります。
インフルエンザの薬はウイルスをやっつけるのではなく、増殖を抑える効果があります。そのため健康な成人では薬を飲んでも症状が半日から1日短くなる可能性がある程度で、数日たってから飲んでも効果は少ないということです。
最後にかぜの予防についてお話しました。
かぜの予防にはとにかく手洗いが一番有効です。
流水と石鹸で15~30秒は洗いましょう。
その他の予防法と呼ばれているものにうがい、ビタミンCなどがありますが、はっきり効果があるかは確かめられていません。
亜鉛のサプリメントは、効果があるというデータはなく、副作用があるのでお勧めできません。
マスクは予防効果はありませんが、自分から他人へうつさないエチケットとしてつけましょう。
十分な睡眠は効果的です。
身近すぎて実はよく知らなかった「かぜ」について知識を得ることができました。しっかり予防して冬を乗り切りましょう。
次回(11月)の医療講演会
次回(11月)の医療講演会
11/16(木)14時~15時 菊水ビル4階・中会議室
勤医協札幌病院 産婦人科 西岡 利泰医師による「いのちはどこから来てどこへ行くのか」です。
参加は無料です。どうぞお気軽にお越しください。