7月開催報告「難聴について」

7月の医療講演会は耳鼻咽喉科科長の永沼久夫医師が

「難聴について」をテーマに講演しました。

暑い中34名の方が参加してくださいました。

 

はじめに永沼医師は、認知症の原因のひとつに難聴が

あり、難聴を予防することで認知症が予防できると注目

されていることを紹介しました。

高齢化の進む日本では、2千万人以上の難聴者が存在す

ると言われていますが、約半数の方が難聴の自覚があり

ません。

また難聴者の4人に1人は補聴器が必要とされています

が、100万人以上の方が使用しておらず、実際に使っ

ている方は2割程度ということです。

 

次に永沼医師は、良い聞こえのために「音がどの様にし

て脳に届くのか」「聴力検査はどのように行うのか」

「難聴にはどのようなタイプがあるのか」「難聴によっ

て人はどのような影響を受けるのか。このような影響が

及ぶ原因は何なのか」などについて、補聴器の説明を交

えながらお話ししました。

講演後、参加者からの質問に永沼医師が丁寧にお答えしました。


 

左耳に中耳炎の診断がつき、治らないと言われたが、どのような状態か検査したほうが良いか?

また、補聴器が必要と判断されカメラ屋さんで購入したが、ハウリングなど調子が悪く、すぐに

使わなくなった。

良い耳に補聴器を装着するという話を聞いたが、左耳に補聴器は必要か。

耳の治療は継続して行ったほうが良い場合もあります。

治らないにしても、それ以上音の聞こえが悪くならないに維持できることもあるので、治療は継続したほうが良いと思われます。

聞こえの悪い方の耳に補聴器を付ける必要はありません。

日常生活を送っていて、不便であれば聞こえの良い方の耳に補聴器を付けることを検討したほうが良いでしょう。

難聴と耳鳴りは関係はあるのか?

耳鳴りが難聴に影響することはありません。

メニエール病で治療を受けているが、点滴治療、内服治療に違いはあるのか?

ガイドラインがあり、それに従って治療が行われていると思いますが、昨今治療方法も変わってきています。

難聴、めまい発作が落ち着いているのであれば、内服治療で大丈夫ですが、個人差があるので各人に合った治療が行われます。

聴力障害者で補聴器を使用しているが、言葉を正確に聞き取ることができない。

病院職員の方にお願いしたいのは、マスクを下げて口を見せて話をしてほしい。

難聴者の苦しみは、一般的になかなか理解されていないのが現状で、病院としての対応も不十分だと感じています。

聴覚障害者への理解を深め、耳鼻科だけではなく、全科で対応できるように病院全体で考えたい。貴重なご意見をありがとうございました。


ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

次回(8月)の医療講演会

次回(8月)の医療講演会

8/23(木)14時~15時 菊水ビル4階・大会議室

 

勤医協札幌病院 内科 高宮 陽介医師による「食中毒について」です。

 

参加は無料です。どうぞお気軽にお越しください。