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4月開催報告「認知症について」

院長の尾形医師が「認知症」について絵を使いながらお話しました

4月の医療講演会は、院長の尾形医師が「認知症」について絵を使いながらお話しました。

 

認知症はどのようにして起きるのでしょうか?

頭の中の神経と神経の間には隙間があり、神経の先から神経伝達物質が出ることで情報が伝わっています。

この隙間にアミロイドβタンパク質というものがたまることで認知症が引き起こされると言われています。

アミロイドβタンパク質は健康な人にも溜まりますが、健康な人の場合は睡眠中に掃除されます。

それが掃除されず溜まり続けると、掃除する細胞が暴走して神経を壊してしまいます。

その状態が認知症だと言われています。

予防のためにはアミロイドβタンパク質を減らせばいいのですが、そのような薬はまだ開発されていません。


認知症の初期に見られる症状は、「重要な約束を忘れる」、「日付を思い出せない」、「財布や通帳の紛失が増える」などがあります。

認知症のうち5~10%は慢性硬膜下血腫や甲状腺疾患など治療によって治る病気が原因ですので、原因となる疾患を早期に治療することが重要です。

アルツハイマー型認知症など、治らない認知症でも早期に治療することで進行を遅らせることができます。

早期の治療をすることで、本人が変化に戸惑う期間を短くでき、その後の暮らしに備えて自分で判断したり、家族と相談できます。また家族が介護の方法や支援サービスに関する情報を得て早くから準備することができるので家族の介護負担が軽減されます。 

認知症を予防するためには、タバコやアルコールなど認知症を進行させる習慣を避け、新しいことを覚えたり、人と交流するなどの生活習慣を続けましょう。

物事を覚えるときの工夫として、何か一つのことだけを覚えるのではなく、付随する複数の情報も一緒に覚えるような習慣をつけるのも有効です。もし何か忘れてしまったとしても、複数の情報のうち一つだけでも思い出すことができれば、忘れてしまった情報を補うことができます。

認知症を完全に予防することは難しいですが、脳は歳をとっても新しい細胞を作り出すことができます。

新しいことへの挑戦や、新しい感情を引き起こすような体験、人と仲良くすることも予防になります。

最後に尾形院長は「家族や友人などとの付き合いを大切にしていれば、もし認知症になったとしても周りの人達が助けてくれ、豊かな人生を送れるでしょう。」とお話し、講演を締めくくりました。


今回の医療講演会は66名の方が参加されました。初めて参加された方は「回覧板のちらしを見て初めて参加しました。楽しかったのでまた来ます」と言ってくださいました。

講演の後、参加者からの質問に尾形医師が丁寧に答えました。


 

認知症の相談をする場合、どこの科にかかればいい?

当院では内科でみることができます。

当院内科にある「総合診療科」という専門科には若い医師がたくさんおり、認知症に関する知識も豊富です。是非ご相談下さい。

軽度の認知症の時に治療を開始し薬を飲んでいたら、どれくらいで中等度に進行する?

アルツハイマー型の場合は、年単位で3~4年くらいで進行すると言われています。5年くらいという人もいます。

レビー小体型の場合は進行が早く、血管性だと脳梗塞を予防すれば進行しないなど、認知症の種類によっても変わってきます。また、薬が効かない人もいます。

男女ではどちらが多い?

若年性は男性が多く、アルツハイマー型は女性が多いです。

女性の方が長生きであるということも関係しているかもしれません。

若年性認知症は何歳から?

特に何歳から、というものはありませんが、早いと40歳くらいという人もいるようです。


ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

次回(5月)の医療講演会

次回(5月)の医療講演会

5/24(木)14時~15時 菊水ビル3階・会議室

 

勤医協札幌病院 眼科 八瀬 浩貴医師による「中高年の眼の病気 パート2」です。

 

参加は無料です。どうぞお気軽にお越しください。